● 大学時代の監督は、試合に勝っても「満足していない」と怒り、
負けると「ここが成長した」とほめるんです。
最初は驚きましたが、選手一人ひとりやチームの状態をきちんと把握した上での言葉で、
多くの選手の心をつかんでいました。
● 難しいのは、ハーフタイムでの声がけです。
最初の5分くらいは選手の様子を観察し、
後半にやるべきことを整理します。
このとき監督は、
「やってはいけないこと」を伝えがちなのですが、
私は「やるべきこと」を「ここにチャンスがある」というような言葉に置きかえて、
前向きに試合に臨めるようにしました。
● また、試合後にマスコミの方は、
ゴールを決めた選手のことばかり取り上げる傾向があります。
今、解説をする上でも心掛けていることですが、
私はいつもゴールに至った過程で仲間を助け、
努力した選手を話題に出すんです。
実際、チームメイトのサポートがなければ、得点はあげられませんから。
監督が一人ひとりを適切に評価することは、
選手同士の会話を増やし、強いチームをつくるカギにもなります。
山本昌邦・・・サッカー解説者/アテネオリンピック日本代表監督
漢検ジャーナルのインタビュー記事より抜粋